本文へ移動

電解研磨

ステンレスとは

ステンレスとは
ステンレスとは『Stain(サビ)less(にくい)』と表記し、文字通りサビの少ない鋼の事です。
化学的には13%以上のクロム(Cr)を含有し、ステンレスが耐食性を持つ要因の「不動態皮膜」を金属表面につくる事ができる鋼で、かつ鋼である限り鉄(Fe)以外の合金元素の合計が50%以下の金属と言う事ができます。

ステンレスはその表面に上記の不動態皮膜(酸化皮膜とも言う)を常に形成しており、その保護により鉄の何倍ものサビに強い性質を得ているのです。

この不動態皮膜は傷がついても大気中では再生されますが、再生できない状態となった時はステンレスもサビ始めます。

ステンレスの電解研磨とは

ステンレスの電解研磨とは
ステンレスの電解研磨とは硫酸や燐酸などの酸を主体とした(弊社では燐酸を主体としています)電解研磨液の中で、研磨するステンレスを陽極処理(ステンレスを+・電解研磨槽を-とし、電流を流す)して溶解し、1.耐食性を向上させ(約4倍の耐食性を持ちます) 2.平滑化し 3.光沢を出す研磨です。

また、バフ研磨などの機械研磨とは異なり、複雑な形状のものもある程度均一に全体を一度に研磨することが出来ます。加えて、加工時間が短時間で済むため、量産も可能です。

複雑な形状の部品でも、ある程度均一に一度に研磨できます。

Before
After

その特徴とは

1.耐食性の向上

電解研磨を行うとステンレスはその表面が溶解されていきますが、その時ステンレスの表面ではクロムやニッケル(Ni)などよりも鉄がより多く溶解されています。つまり、サビに強いクロムやニッケルが濃度を増し、サビに弱い鉄が濃度を下げるのです。

そして、その表面に安定した酸化皮膜が形成されるため電解研磨を行うとそれ自体サビに強いステンレスが更に耐食性を上げるのです。

2.平滑性の向上

電解研磨によってステンレスを研磨する時、その陽極処理によってステンレスが溶け出しますが、この時溶け出したステンレスが初期酸化物となり、電気を通しにくいごく薄い膜をステンレス表面に作ります。

電解研磨はこの膜を通して行われる為、Aの部分はBの部分よりも電気を通さず溶解される量もBの部分より少なくなります。この結果ステンレスの表面はより滑らかになるという現象が起こるのです。(図1参照)
平滑性の向上
3.光沢の向上

電解研磨によりステンレスの表面がより平滑になるので電解研磨前よりも光沢が増します。(車にワックスをかけ微細な凹凸を埋める事で光沢がでる事と同じです。)

※SUS430を鏡面仕上げしたものは電解研磨によって白く曇ったような状態になり、光沢が下がりますのでご注意ください。

4.その他の特徴

電解研磨はステンレスの製品全体を電解研磨液の中に浸漬して行う為、製品全体がある程度均一に研磨できます。(図2参照)
その他の特徴
※但し、品物の形状や電解研磨槽との距離、電流の流れにくい場所といった条件により、完全に均一には研磨できません。
その他の特徴

電解研磨の工程

電解研磨の工程

電解研磨の加工例

電解研磨の加工例
電解研磨の加工例
電解研磨の加工例
電解研磨の加工例